楊 仲合、同盟会話
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仲合会話
槍と武
私たちは珍しく平和のひと時を楽しんでいる。
私は野外でのんびり散歩している。
温かい日差し、一面に広がる青草、さらさら流れる川、
心が晴れ晴れする。
無剣:あーー気持ちいいーー
手足を伸ばしたら、
遠くから鉄のぶつかる音が聞こえてきた。
ん?まさか魍魎がいる?
とりあえず様子を見に行った。
本当に何かあったら、皆に戦闘準備を知らせなくてはーー
無剣:っひゃ!
突然、私は一本の長い槍に突きつけられ、
槍の先が鼻から指一本もない距離で止まった。
楊:覚悟!
…ああっ、すまん、敵襲かと思ったからさ。
結構の間ボーッとしていてようやく正気に戻ると、額にだんだん汗が出てきた。
楊:ごめん…驚いたか?
無剣:ま、まあ…
槍の使い方がじょ、上手だね、ハ、ハハ…
冷や汗を拭いて、気を落ち着かせる。
無剣:最近は魍魎が襲ってこないのに、
楊はまだ武術の練習に明け暮れている。
本当に武術バカだな!
楊:今は平和だが、訓練は怠るな。千日に渡って兵を養うのは、いざという時に役立てるためだ。
楊:それと、私はバカじゃない。
武術の練習は手段であって、目的じゃないからな。
無剣:しかし楊の槍は世に珍しい鋭さだね!
私の褒め言葉を聞くと、彼はそんな嬉しい表情をせず、
眉を顰めて目を逸らし、遠くを眺めて長いため息をついた。
楊:はあ…槍の腕はもちろん大事だが、
心の中にあるのは槍だけじゃない、もっと大事なものがある…
無剣:楊?
楊には何か悩みがあるの?
楊:それは…
壮志は報いられず、という悩みだな。
楊:だがこれは他人のせいでも、世のせいでもない。
生まれた時代がよくないとしか言えない。
楊は遠くを眺めて、軽く首を横に振った。
目から失望と志を得なかった悲しみが滲み出でいる。
無剣:楊 …
慰めようと思って、口を開いた途端にーー
ゴゴゴゴゴゴオォォーー
無剣:魍魎だ!楊、気をつけて!
楊:ハハハハ!
ちょうどいい!
楊:オレの胸に沸き立つ熱い血は、それに見合う戦場を欲している!
まだ反応もできないうちに、楊はあの魍魎の群れに突っ込み、長い槍を風も雨も通れないほど舞う。
数の多い魍魎に対し、いとも簡単に敵を切る。
楊はさっきのような憂いはなく、目が輝いている。
その様子を見ると、突然はっと気づいた…
無剣:槍の腕より大事なものは…戦場…か?
槍と惑
怪我は免れない。
楊:…くっ!
無剣:楊、ひどい怪我、数日は体を休ませないと。
無剣:私は楊の傷口を包帯で巻いたあと、
ちゃんと休んでと何度も言った。
楊:かたじけない。
無剣:けれど、野外で散歩していた時、私はまた覚えのある音を聞いたーー
楊:覚悟ぉ!
無剣:まさか楊は練習しているの?
い、いやそんなはずない、怪我をしているんだから。
慌てて向かうと、やはり見覚えのある姿を見かけた。
手で長い槍を握り、星屑がちらほらするように舞い、水一滴さえ入れないほど。
楊:っぐ!これは…
ボーッとしていたら、突然長い槍は手から離れ、斜めに飛んでいった。
槍の先が地に落ちた瞬間、 私が予測したように、
まっすぐに土の中に刺さらず、槍の柄が片方に傾いた。
楊は眉を顰め、仕方なく首を振った。
私は軽い足取りで、彼の前へ歩いていった。
無剣:楊?なんでまた練習しているの?
楊:それは…毎日寝ているのは俺の性に合わないからだ。
楊は元気に見せようとするが、
体力は回復していないようで、状態は前より悪く、
さらに心が落ち着いてなさそうだった。
無剣:楊、そんなことしてたらだめ。
まだ怪我が治ってないのに無理したら、戦場に出ても危ないでしょう。
楊:兵士として、戦場に散るのも又一種の幸せなんだろうな……
楊:戦以外のことを考えなくていいし、
考える機会もない…
無剣:楊、貴方…
楊:ハハハハ!
何でもない、練習で疲れたかもしれない、帰って休むか。
楊は私を避けて、身を屈めて槍を拾った。
そのまま振り返ずにまっすぐ行ってしまった。
なぜか、心の中に不安が生じた。
無剣:楊は…戦場で死にたいのか?
あるいは…戦争が終わることを恐れているのか?
槍と心
最近楊は機嫌が悪く、いつも空に向かってため息をついている。
無剣:楊、何か悩みがあるなら、私に言ってみてはどう?
楊:それは…なんでもない。
目を逸らすのを見ると、私は心の中で決めた。
無剣:私が当ててみよう、
外れたら、楊はなかったことにすればいい。
彼の答えを待たずに、私は先に自分の推測を伝えてみたーー
無剣:楊は不安なの?
戦闘がないことが?
楊:はぁ?なんだそれ。
無剣:これはあくまでもわたしの推測だけど。
楊:えっ…
お前の心がそんなに繊細で、目がそんなに鋭いとは思わなかった。
楊:ああ、当たりだ。
無剣:やっぱり…
楊:戦場で死ぬのは、俺の一番の夢だ…
楊:もし、天下泰平の時が来たら、戦場という俺の居場所もなくなるな。
無剣:世が安泰になり、戦場から離れて家に帰るのも、いいことだと思う。
楊:田舎でいい加減に暮らす日々は、
鉄錆に蝕まれた銀の槍のようで、また鎖で檻に閉じ込められた獣のように、
成すこともないまま、朽ちていく。
楊:けど、そんな考えじゃ、
人々に危害を加える魍魎と同じじゃない?
楊の目は苦痛と迷いに満たされている。
私は思わず首を振った。
無剣:楊、それは違う。
武は止と戈からなる。
世の平和は、武術を学ぶ人の最終的な追求じゃないでしょう?
無剣:以前の貴方の人生意義が戦場で戦うことなら、
世の安泰は、貴方の努力の証よ。
無剣:そのとき、貴方の人生にきっと新しい意義が生まれる…
楊:そうだな、
ちょっと考えさせてくれ…
無剣:うん…
本当に平和な時が来たら、
楊はきっと人生の新しい意義を見つけることができる。
無剣:楊は魍魎と大きく違って、正義感に溢れている人だと信じているから。
楊:かたじけない…
楊の悩みを解決できるかは分からないけど、
このまま彼が一人で苦しむのを放っておくわけにもいかない。
その眉を顰める度に、私の心も締め付けられる。
槍と君
楊:覚悟ぉ――!
楊:楊家槍法!
私は前へ行って、遠くから見ている。
槍の使い方は前よりもっと洗練されており、一突きに何の迷いもない。
楊は私を見かけると、手の中の槍を止めて、笑いながら私の方に歩いてきた。
楊:なんだ?稽古試合がしたい?
んじゃ、ちょっと指導してやるか!
無剣:ハハ、ご冗談を…
私では貴方の相手になれないって。
楊:そういうな、その小さい体で、本当に戦で生き残れるのか?
いくつかオレが教えてやろう、ハハハ。
無剣:うん…楊は槍の腕が前よりも達者になったね。
私の
楊:ハハハハ!
もう心に迷いがないから、
自然と槍の先にも曇りはない。
無剣:本当?
よかった!
楊:へへ、その様子じゃ、
まるで俺より喜んでるみたいだ。
無剣:うん…私…
なぜか、彼の目を見ると、
私の顔が熱くなってきた。
楊:ハハハハ!
心のつっかえが解消されたのも、
君のおかげだ。
無剣:私のおかげ?
そんな…
楊:ずっと待ってたんだ、
体の埃と鉄錆を洗い落とし、過去の勇敢な自分に戻してくれる人を。
この栄光をすべてその人に捧げたい。
楊:だが、お前が本当に俺を見つけた時、俺が本当に戦場に立った時、
心の中では、あの敵のない、戦から離れた日々を恐れていた。
楊:戦場がなかったら、俺の存在意義もなくなってしまうようだと…
ずっとそう思っていた。
楊:たった今、俺は分かったんだ。
世が平和になっても、俺の存在は無意味じゃない。
無剣:楊…
楊:へへ、ずっと自分が不幸だと思っていた。
生まれた時代が悪い上、これまでの道程も起伏が多いと。
今思えば、俺の幸運はすべて一つのことに使われたかもしれない…
無剣:な、何のこと?
陽はまた前へ一歩私に近づいた。
私の顔ももっと熱くなった。
楊:ハハハハ!
そんなに鋭いなら、もう気づいているだろう?
そうだろう?
私たちは息を感じられるほど、近くなっている。
その息で目眩すら覚える中、
私は軽く頷いて、
手を彼のその伸ばした手のひらに乗せた。
同盟会話
○○の楊:ふう…「長期にわたって兵を養うのはいざという時に役立てるためである」ということわざがある。
○○の楊:今は役に立たなくとも、稽古は怠らないことだ。
○○の楊:でないと、いざ戦場に参る時、自分の無能さを嘆くことになる。
◯◯の楊:この槍術は、戦場で敵を撃破して国土を守るための槍術だ。
◯◯の楊:江湖の武人と一騎打ちする場合、俺の槍術は不利に陥ってしまう。
◯◯の楊:はあ、改善することはできるだろうか?
◯◯の楊:淮河から北の大概の区域は既に陥落している。
◯◯の楊:柳葉と出会った場所は魍魎が横行するとある町だった。
◯◯の楊:この魍魎の災はいつまで続くんだろうな。
判詞
二句目 まさに秋深き頃の雁城だ
三句目 鉄の鎧に何度も雪が付き
四句目 今なお出征して敵を討つ
五句目 果てし無き黄砂よ人帰らぬ
六句目 碧玉の血で結成されたのか
七句目 国に報うために死をも辞さずに
八句目 少年は出陣を申し出た
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ふう…「長期にわたって兵を養うのはいざという時に役立てるためである」ということわざがある。
今は役に立たなくとも、稽古は怠らないことだ。
でないと、いざ戦場に参る時、自分の無能さを嘆くことになる。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
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